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がんのこと、ご存知ですか

Q1.がんにならない臓器は。
あ.心臓
い.ない(体中にがんはできる)

Q2.がん細胞ができてから検査でみつけられるようになるまでの期間は。
あ.3年
い.10年以上

Q3.他国に比べがんの多い日本。その原因は。
あ.添加物などの食品
い.長寿

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クイズの答え

 がんはコピーミス(細胞分裂の失敗)で発生します。すなわち、細胞分裂が行われない心臓はがんになりません。
 がんが、検査で見つけられる大きさ(1センチ大)になるには、10〜15年かかります。30回の細胞分裂が必要だからです。
 その後、たった3回の細胞分裂が行われると、2センチ大に到達します。それに必要な期間は1〜2年。そして、早期がんと呼ばれる大きさは2センチ大くらいまでです。つまり、わずか1〜2年の間にがんを見つけないと「早期発見」とは言えません。症状が出てからでは遅いのです。
 また、一つのがん細胞が大きくなるのにこれだけ時間が必要なため、寿命の短い国々では、がんが発症する前に別の原因で亡くなることが多いのです。日本では、長生きになったが故に、がんになる人が増えたと言えます。
(答:1あ2い3い)
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 法福寺では昨秋彼岸会にて、東大病院放射線科の医師中川恵一先生をお招きし、がんについて、講演頂きました(内容を再構成したのが先のクイズです)。
 先生は、がんについて説明されると共に、宗教と共同体が希薄化した現代日本では「死に支(ざさ)え」がほとんど期待できない(安心して死ぬことがままならない)と訴えました。
 そんな日本において、あなたのご家族はいかがでしょう。「ウチのお寺は○○寺」「ウチの宗派は日蓮宗」と即答できますでしょうか。
 日蓮聖人は、
「されば先(まづ)臨終の事を習(なら)ふて後(のち)に他事(たじ)を習ふべし」
『妙法尼御前御返事』と仰っております。死を考えることが生を考えることに通じるのです。
 誰にでも分け隔てなくやってくる死。ご家族の誰もが、人生のゴール地点で、取り乱すことのないよう、普段から信仰を持って生活しようではありませんか。ゴールを見据えて生活することで、日常がより良いものとなるのです。
 よりよく生きるためのお題目信仰を、また今日から精進してまいりましょう。

参考文献:いずれも中川恵一著
『がんの正体』PHP研究所
『死を忘れた日本人』朝日出版社
所報『佛心伝心』第30号より

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