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言霊(ことだま)

 「わざわいは口より出でて身をやぶる。さいわいは心よりいでて我をかざる。」

 これは日蓮聖人のお言葉です。その意味は「思いやりの心を伴わない口先だけで話をする人は、他の人に嫌われて 相手にされなくなり 不幸になる。逆に思いやりのある心をもって人と接する人は、他の人に愛され 幸せになることが出来る」と言うことです。

 私達は日常、人と話をする時、無意識に思ったことをそのまま話していることがほとんどです。その為、知らないうちに相手の心を傷つけていることが多々あります。言葉は、それ程大きな影響力をもっています。だから、「言霊(ことだま)」というのかも知れません。

 次のような詩があります。

そのひと言で励まされ
そのひと言で夢を持ち
そのひと言で立ち上がる
そのひと言で腹が立ち
そのひと言でがっかりし
そのひと言で泣かされる
ほんの僅かなひと言で不思議に大きな力を持つ
ほんのちょっとのひと言で

 皆さんも日常の中でよく経験することではないでしょうか。ささいなひと言でケンカにもなり、又励みにもなるのです。

 私達は一人では生きてゆけません。常に多くの人々と共同生活を営んでいます。その中でみんなが楽しく暮らす為には、常に相手のことを思って言葉を発することが大切です。

 一度口から出た言葉は、元に戻すことは出来ません。言葉を発するには、状況によって、よく判断しなければなりません。

 次に、その判断基準をあげますので、日常の中で役立て、良い人間関係を作ってほしいと思います。

 「ことばの五対(ごつい)」(鋸喩(きょゆ)経より)
一.その時々にふさわしいことばとふさわしくないことば
二.事実にかなったことばとかなってないことば
三.やわらかいことばとあらいことば
四.有益なことばと有害なことば
五.いつくしみのあることばとにくしみのことば
寺報『石蕗(つわぶき)』第11号より

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