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地獄、浄土はどこ?

 法華経には次のような記述があります。
「我此土安穏 天人常充満」(お自我偈)…我が此の土(この世)は安穏であり、常に天人や人々で満ちあふれている…。一方、「三界は安きこと無し、猶火宅の如し、衆苦充満して、甚だ怖畏すべし」(欲令衆)…輪廻する世界では(心が)安まることがない。火事になった家の中のようである。人々の苦しみで満ちあふれていて、非常に恐ろしい(状態である)…。
 このように、一見すると相反することが書かれています。どういうことなのでしょうか?

 こういう時は日蓮聖人に伺うのが一番です。
 日蓮聖人が残された文章には「浄土と云ひ穢土と云も土に二の隔なし。只我等が心の善悪によると見えたり。」とあります。
 地獄や浄土というのは、場所のことではありません。そこにいる人の心持ちのことなのです。悪い心を持っている人たちは地獄に、善い心を持っている人たちは浄土にいるのです。

 どうか、みなさまが浄土に住み続けられますように…。
所報『佛心伝心』第7号より

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